【アイキャッチ】自閉症の専門性

どうも,まっつんです。

 
2017年6月18日に,障害児放課後グループ連絡会・東京(放課後連・東京)の第22回学習集会に参加してきました。
学習集会のテーマは,「子どもの人格を輝かす実践を!~自閉症児の発達から考える~」として,午前に岐阜大学の別府哲先生が講演,午後には実践報告と放課後連東京の行動提起というラインナップ。
 
別所哲先生の著作は以前から拝読しており,僕の実践のベースにもさせて頂いていました。
今回は,生で別所先生のお話を聞けるという事でかなりわくわくしての参加でした。
 
直接お話を聞く機会は今回が初めてでしたが,別府先生のお話は面白い。
さすが,自閉症支援に長年携わってきただけあって,話が簡潔で分かりやすいし,時折混ぜられるユーモアがとても明るい気持ちにさせてくれました。
 
別府先生の講演の中で,ひときわ心に残ったフレーズがあったので今回はそこから自閉症支援を改めて考えてみたいと思います。
自閉症支援の専門性とはなんでしょうか?
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〇不安な世界の中にいる自閉症児

別府先生の講演の中で,一番心に残ったフレーズ
「不安を安心に代えられるのが専門性」というお言葉がありました。
 
これ,結構さらっとお話になられたことなんですけど,すべての支援に通ずるベースなんじゃないかなと思っています。
 
自閉症の子は,日頃から不安定な世界の中で頻繁に不安にさらされています。
世界が不安定になってしまうのは,もともと持つ感覚の過敏性や,情動調整の苦手さ,そして周囲に理解されにくいユニークな思考様式のためです。
 
子どもは不安になると親や大人に慰めてもらおうとします。
でも,自閉症の子にとってはその本来慰めてもらおうとする相手自体が時には不安を掻き立てる存在になってしまうことがあるのです。
 
自閉症の子にとって,人間は物と違い予想が立てにくい存在です。
大好きなお母さんや,大好きな他者でも時には自分の予想に反して動くため,不安を感じてしまうことがあるのです。
 
この他者を情動調整のために上手く使えないことも自閉症の子が不安を多く抱えてしまう一つの原因です。
 

〇挑戦のためのエネルギー

ひとは,何か新しいことを始めたりするときや,ちょっと苦手な事を頑張ろうとするときには,多くのエネルギーを使います。
そのエネルギーはどこから来るのでしょうか。
 
挑戦するためのエネルギーは,身体的なエネルギーはもちろん必要ですが,それよりももっと多くの心のエネルギーを使います。
不安な心理状態では,心のエネルギーを十分に発揮できません。
なぜなら,不安な心を癒すためにそのエネルギーは多く使われてしまっているからです。
 
何かに挑戦するときには,安心できる環境でエネルギーを溜める必要があるのです。
 

〇自閉症の子の安心を守るためにできること

自閉症の子にとって,「安心」できる環境を確保することはなかなかに難しいことです。
それは,世界がなかなか自分の予測通りに動かないことや,自分ではコントロールできない感覚の刺激に追われてしまうこと,そしてさらに自分の想い通りにならなら感情の嵐などなど,複合的な理由によって「安心」は容易には獲得しづらいのです。
 
しかし,何かに挑戦する事には「安心」から生じるエネルギーが必要です。
だからこそ,「不安を安心に変えられるのが専門性」だと言えるのです。
 
自閉症の子は,様々な不安の要因を持っています。
そこにはもちろん,その特性故にユニークな側面を持っている要因も少なくはありません。
感覚の過敏だって,一般の人に伝えてもなかなか理解することは難しいことです。
 
だからこそ,専門性を持って「不安を安心に変えて」その子が能動的に世界に対して働きかけていける様にサポートすることが大切なのです。
 
講演の中で,別府先生は繰り返し,「自閉症の子のユニークな感覚,その子の好きな世界を一緒に楽しむことが大切」だとおっしゃられていました。
「あぁ,この人は自分の感覚を理解してくれる,一緒に楽しんでくれる」という思いが安心感につながるのです。
 
ユニークさを認めるためには,頭で理解するだけではなく,相手の感情を思いやったり,相手の意思が腑に落ちるまで共感することが必要です。
その様な関係性があって初めて,自閉症の子と一緒になってなにか新しいことに挑戦していけるのかもしれません。
 

〇まとめ

僕も日頃の実践から,すべての支援の基礎にはその子との関係性があって初めて療育だったり,いろいろな支援が成立すると考えています。
そして,その関係性を築く基になるものが,この「相手の好きな世界を一緒に楽しむこと」だと思います。
 
好きなものを一緒に楽しむこと,そこにはお互いの感情の交流があるのです。
どんなに相手のことを理性的に頭で理解していっても,相手の特性に配慮した関わりをしていっても,そこに感情の交流がなければお互いの関係性はつながっていきません。
 
感情の交流ができる関係性を築くことは,お互いに信頼感ももたらします。
それは,同時に安心感になり,何かに挑戦するためのエネルギーにもなるのです。
 
今回の講演で,別府先生が「人にわかってもらえた経験をした子は,その相手の子ともわかりたいと思うようになる」というお話をされていました。
これは,僕も非常に肌で感じている事です。
 
こちらがどれだけ一方的に話をしたり,訓練をしたりしても通じないこともあります。
あたかも,こちらの事など意に介さないでただの「障害物」のように感じているかもしれません。
 
でも,その子が何を楽しいと思っているのか,好きなことは何かを探って,それを共有できたとき,その子にとってその人はもう「障害物」ではなくなるのです。
子どもにだって,自閉症の子にだって相手の期待に応えたいという思いはあると思っています。そして,実際にそれを現場で感じています。
 
すべての療育や支援の基本はやはり,人と人との関係性であり,感情の交流であり,お互いの理解である。
今回,別府先生の講演を聞いてまた改めてその点をつよく思う事が出来ました。
 
そして,「不安を安心に変える専門性」こそが自閉症を始め発達障害支援における大きな基礎,別所先生の言葉を噛みしめて再び実戦に臨みたいところです。
 
 
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