【療育プチコラム】共同注意〜コミュニケーション発達の根本〜

共同注意 療育プチコラム
【共同注意】
ジョイント・アテンションとも。複数の生物個体が,同一の対象に対して同時に注意を向けている状態のことを指して言う。
キーワードコレクション発達心理学,新曜社
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共同注意(ジョイント・アテンション)とは

 共同注意とは,太郎くんと花子さんが同時にチューリップを見て,お互いに「相手もチューリップを見ているな」と感じ,理解している状態のことを指します。そして,この共同注意が言語の発達に対してとても重要な役目を果たすのです。

コミュニケーションの発達

 コミュニケーションは一人では成立しません。そこには相手が必要です。太郎くん一人ではコミュニケーションをとる事ができないのです。太郎くんがいるところに花子さんがやってきました。これでコミュニケーションを取る事ができます。この二人の間だけで行われるコミュニケーションを「
二項関係コミュニケーション」といいます。生まれたての赤ちゃんの場合,最初はしばしばお母さんから話しかける形での「二項関係コミュニケーション」からコミュニケーションは始まります。
 太郎くんと花子さんはチューリップを発見しました。二人はチューリップのことについて話し始めました。二人だけの世界から「三項関係コミュニケーション」に発展した形です。赤ちゃんの場合も,始めはお母さんからの呼びかけに答えるだけだったコミュニケーションが,お母さんが見ている物を一緒に見たり,指さしをしたりして,「三項関係のコミュニケーション」へと発達していきます。こうして,物の意味を他者と共有することで,言語的コミュニケーションへと繋がっていくのです。

指差しと心の理論

 また,この「三項関係コミュニケーション」重要になるのは,お互いが同じ物を見ていると言うことをお互いが理解している事です。チューリップを指さしている太郎くん,太郎くんはチューリップを見ています。そして,太郎くんの指さしに合わせてチューリップを見ている花子さん,お互いに互いがチューリップを見ていることを理解しています。この様に「三項関係コミュニケーション」は,見る→察す→相手の思惑を読むと発達していき,後に「心の理論」の発達に関与していきます。
心の理論について詳しくは

療育へのまなざし

 自閉症を持つ子には,共同注意の力が弱い子が多くいます。相手がさしている物が
わからない,相手がさしているものに興味が湧かないなどが原因と考えられます。特に言語の発達していない子の中には共同注意が向けられない子も少なくありません。言語発達は「言葉を使う意味」を感じないとなかなか支援していくことは難しくなります。言葉は便利なもの,使うと楽しいなどポジティブなイメージを持ってもらう事が大切です。そしてその根本を担うのがこの共同注意です。
本文の中でも触れましたが,共同注意を向ける事が言語的コミュニケーションの先駆けとなります。子どもが注視する対象と養育者が発する言葉とがリンクする事で言語の習得につながっていくのです。なのでまずは共同注意を向ける事が楽しいと子どもに理解してもらいましょう。子どもが好きな物を一緒に指差ししながら「くるまだね」「電車」などとその単語を紐付けてあげると良いでしょう。
 また,指さしの理解が弱い子には,まずは指差す対象物に養育者が指をくっつけた状態の指差しを見せてあげると理解できる場合があります。まずは対象物に指をくっつけて,少し指を離して,普通の指さしの距離で,目線だけでなど段階的に指さしの理解の練習をすると良いでしょう。
 共同注意は言語発達の根本になります。また同じ物を見て喜びを共有できることは子どもにとってもとても楽しい事です。自閉症を持つ子は共同注意の力が弱いですが,段階的に理解を促す事で次第にその力も発達していきます。じっくりと時間をかけて伸ばしていけると良いですね。

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